味の色どり万華(まんが)

タイヤ公園の怪獣達と田島のコッペパン!

カスタードめし259

これはバリ島の仮面バロンなのか。

バロンの仮面はさまざま。付け替えるたびに付ける人間の性格が変わる。

それって変身。それってコスプレ。それとも変異。

今、その仮面飾りの柱をよじ上るは鉄鋼で出来たヘラクレス大カブトムシ。

ヘラクレスが、ツノ先を今まさに宇宙より降臨せんとする何かの方位に向けた。

彼の体が錆びているのは、彼が生まれてから

もうずいぶん長い時が経過したことの証拠。

★この仮面とヘラクレスのある所在地 ⇒ 東京都大田区大森東5-37-22

大沼工房社

1966年、円谷プロダクション制作の『ウルトラマン』がTVで遂に初放映された。

同プロダクションの前作『ウルトラQ』と一体どこがどう違ったのか。

怪奇現象あり、宇宙人や怪獣の登場あり、それらの要素はウルトラQも同じ。

違いは圧倒的なスケール。日本列島一丸の火の玉高度成長よろしく。

ウルトラマンもそれと闘う怪獣も、ビルを見下ろすとてつもない巨大なBODY。メガ。

日本を破壊し尽くそうとする怪獣を阻止する者は、人間である化学特捜隊ではない。

気の遠くなるような宇宙の果てからやって来た1人の異星人だったのだ。

腹いっぱいコッペパンが食べたい。ほおばりたい。

ソースのたっぷりかかったコロッケ、ハムカツ。

実を云えば、味のほとんどはソースだけだったことも多い。

だが、そんなことに気づくより早く、子供たちはアッという間にソレを飲み込んでいた。

飢えいていたから。

でも何に?。

もちろん食物。オヤツ。ゴハン。

でも本当にそれだけ?。

それだけだったの?。

あっはははは。そんなこと考えるのは、気づくのは、

君がずいぶんと大人になってからのことかもね。

とにもかくにも、だんだんと貧しさとやらは減ってはいったのさ。

誰も居ない教室。誰も居ない自宅。

自分だけしかいない事実。

自分だけしかいない感覚。

いじめられたら、仲間はずれにされたら、のけものにされたら?。

周りにどれだけたくさんの人が居たって、

自分だけしかいない事実。

自分だけしかいない感覚。

それはいくつになっても続くのさ。

▲たっぷり和風タルタルフィッシュ 390yen

〈新登場フィッシュフライ。金ゴマタルタルソースをたっぷりかけました。

やみつきになる味わい〉

西六郷公園。通称タイヤ公園。

そこに住むのは、多くのチビッ子たちを夢中にしてやまない怪獣たち。

怪獣たちのボディーは廃棄タイヤで作られている。

「大人らはみなオレたちのことを単なる造り物だと考えている。

近頃は、そうだと知っている子供らも増えている。

俺の気持ちが分からないのか。

聞け、この内なる叫び声を。

この張り裂けんばかりの、耳をつんざく叫びを!。

昭和の怪獣たちは令和に至るコンニチまで生き延びる。

生き延びさせたのは子供たち。

年号が変わろうが文化や風俗が変わろうが、そんなこと知ったこっちゃない。

子供は子供。

大人は子供。

大人と子供。

そして今、信じがたいことに、まるで白昼夢のように、

団塊の世代の高齢化が始まった。

高度成長の夢。

企業戦士の夢。

破壊と創成を繰り返す時代の怪獣。その正体はいったい…。

顔のない怪人200面相が怪獣を操っているのだろうか?。

謎の人物。

謎という字は「迷うことを言う」と書いて謎。

親にも先生にも、そして知り合いにも惑わされるボクって一体なに?。

あっははは。それが一番の謎だー。

★パンの田島 (コッペ田島) 所在地 ⇒ 東京都目黒区自由が丘2-11-11

ずいぶんとリッチなコッペパンもあるもんだ。

時代も進んだねー。

胸躍らせて次は何食べよー。日本が豊かになってゆけばゆくほど、

総菜パンはキラ星のごとく無数に輝く。

▲スモークサーモン&アボカドポテト 390yen

〈北海道秋鮭を使用したスモークサーモンと

自家製のアボカド入りポテトサラダをサンド〉

豊かになれば幸せになれる。

豊かさの度合いが幸せの実感。

そんな…。

まさかそれは嘘でしょう。

惑わし惑わされ、惑わすとき。

悩みの尽きない毎日が始まる。

迷うことを言う、っていう、あのナゾナゾのはじまり。

力のない科学特捜隊員が、人間が、無敵の異星人、ヒーローに変身する時、

お茶の間の子供たちが一斉にいきり立つ。

美味しいものはおいしい。

楽しいことは楽しい。

ひとたびイジメにあって、自分のことも皆のことも大嫌いになったら、

美味しいものに味がない。

楽しい意味が分からない。

あー、もー、何だかさっぱり分からない。

その時、君は怪獣の雄たけびを聞く。

なぜそうなるのか。

なぜ、そうでなければならない?。

ボクの立場はどうなる?。

アタシの立場は?。

なぜオレだったのか。

どうしてワタシでなくちゃなんないの?。

言葉を持たない怪獣の返答、それは爆発する絶叫。

もう、もはや、弱虫の自分に見切りをつけよう。

男の子ばかりか、女の子までもがそう思った。

リボンの騎士、魔法使いサリー、そしてセーラームーン。

マンガ、アニメが希薄になれば、次はコスプレ。

逃げ込む先は夢の夢。

昔も今も変わらない。

紙芝居もバーチャルリアリティーも、ソックリそのまま同じ夢。

▲フルーツミックスサンド 320yen

イチゴ、キウイ、黄桃、バナナ!。生地には自家製のブルーベリージャムがたっぷり塗られている。

そこに真っ白な生クリーム!。見た目ほど甘さはなくって食べやすい。飲み物みたいに瑞々しくてサッパリとした味わい。

だからなのさ。

男の子も女の子も、みんな今でもコッペパン。

おにぎり食べたら次はコッペ。

どっちも同じイニシエの味。

イニシエって?。

君が赤ちゃんだった時って意味さ。

▲厚切りハムカツとフルーツミックスサンド

フライの中身は分からない。

テンプラより当てられない。

トンカツ?、メンチ?、コロッケ?。

なんでもいいよ、食べたいのソース味だから。

そうそう、ソースはともだち。ソースは怪獣。

そしてソースはウルトラマン。

▲厚切りハムカツ 350yen

なぜだ。何故オレの言うことが分からない?。

オレはずっと前からここに居たというのに。

オレの叫びを聞け!。

今こそ聞かねばならない義理の一つも、道理の一つも、オマエにはあるはずだ!。

降りしきる雨だれが、幾千ものシズクをしたたらせる窓。

怪人2000面相は留守?。

ふりやまない雨は誰かの涙なのかも。

野菜を食べるコッペパンが登場したのはいつ頃だった?。

みんな昔よりだいぶ健康を考えるようになったよ。

だって、幸せな人生を長く続けたいから。

「じゃ、いま幸せじゃない人は野菜を食べなくてもいいの?」

大人は子供に何て答えるのかな。

さあさ、大問題だぞ。自分が大人じゃないって子供にバレちゃうぞ。

▲5品目のベジタリアン 300yen

トマト、キュウリ、レタス、紫タマネギ、ピクルス、のサラダパン!。

紫タマネギは、普通のタマネギより辛み成分が少ないし水気も少ないのでサラダにはベストチョイス。

サラダにかけられているドレッシングは薄いミルキーオレンジ、クセがなくってさっぱりと食べられる。

このコッペには辛子マヨが塗ってあって、野菜の水気がパンに移らない心憎い工夫がある。

パン生地は最後までへなへなにならず、最後までおいしく食べられる!。

怪獣にも落ちこぼれは居る。

だからその怪獣のことを好きになった。

だからその怪獣のことが大嫌い。

ウルトラマンがやられて喜ぶ子。

怪獣がやられて喜ぶ子。

どの時代の子供も、みんな反応は同じ。

その反応を大人が認めるか認めないか、変わったのはそれだけ。

変わり果てた。

どの時代の子も同じだったはずなのに、

大人になった途端、なんでこんなに変わったのさ。

次々に疲れ果てた先生たちがうずくまり始めたよ。

どうしてだろう。

いくつもの時を経て生き残り、変わらず愛されるコッペパン。

コッペに答えを聞いてみたら?。

★このタイヤ怪獣、ロボットが居る所在地

東京都大田区西六郷1-6-1 西六郷公園 (タイヤ公園)