昭和歌謡曲の万華(まんが)

春の雨に思う ~ ユーミン、伊勢正三、日野美歌

寒いおそと、あったかいおうち

やはり冷たい雨はマイナス・イメージをぬぐいきれません。

どしてだろ。雨に濡れちゃったら

ソッコー身体をぬぐい切るのに…なぁんてね。

ユーミンは、冷たい雨にうたれて街をさまよう

ヒロインを歌ったでしょ。

もう許してくれたっていい頃だと思って家に戻ったら、

ガーン!誰かの赤い靴!。ガーン!。もう他の女性を…

しッ、しかもアナタは別の人とここで暮らすというの?。

こんな気持ちのままじゃ何処へも行けやしない、って、

そーだそーだ!。掴み合いの泥仕合を展開しても

許されるんじゃないかしらッ ?!。

などとひどく興奮するわけでありますが、

伊勢正三は♪『雨の物語』の中で

次の様に歌っておりましたネ。

♪ボクの部屋のドアに書かれていたはずさ

とても悲しい物語だと

窓の外は雨、雨が降ってる♪

と…。彼女が出て行った時のドアの音が

忘れられない?。

だからドアにそんな見えない文字が刻まれたの?。

この場合、主人公の男性が聞いている雨音は

ザーザー?。しとしと?。ポツポツ?。

そんなことを考えてみるのも意外と楽しひ。

そして切ない…。

恋人を失った男はつぶやく。

雨の日は物語の終わりに似合っていると。

で、日野美歌さんの♪『氷雨』♪。

♪外は冬の雨まだやまぬ

と歌われ、♪ 傘が無いわけじゃないけれど帰りたくない♪

と心情をつづる…。とっても不思議でござひます。

冷たい雨は何故か自宅と…、マイホームと…

関連付けられておりますね?。

冷たい象徴であるところの外界、すなわち社会と、

内なる世界であるところの自宅、すなはち家、

温かい避難所としての身の置き所。

それがとっても対照的。だからなのかな?。

この場合の雨音、どんなんだと思います?。

ワタクシにはちょっと想像出来ません…。

強い氷雨、弱い氷雨。そぼふる。ふったりやんだり…。

想像出来ない氷雨って、なんかコワイ。

研ぎ澄まされ過ぎちゃってる感じがする。

こッ…怖いよォ(涙目)…。

しかし…。♪ 雨雨降れ降れもっと降れ♪、と

八代亜紀さんは♪『雨の慕情で』歌われておるのでござひまして…。

もっと降れば ♪私のイイヒト連れて来い♪

で束の間の雨宿りに来てくれるのではないかと

切に願う女心…。

雨のひとつも降りゃあ仕事が出来ずに

暇をもてあまして思い出してくれるかも…。

それが私の憎くて恋しい人です。

いッ、いじらしい!。

雨を歓迎する女性が聴きたいのはザーザー降る音!。

パァッと景気よくね。マイナスイメージの雨を

お祭り気分に変える心持ちってスゴイな~。

負の雨音に景気をつける威勢のよさ、それこそが

女の心意気。よッ、ねえさん粋だねぇッ!。

何でしたか…。ええと、ああそうそう。

今日は寒かったです。3月ただ中、春雨ですもん。