昭和歌謡曲の万華(まんが)

山口百恵、トワエモア、BABY・METAL~似ている、似ていない

気になっちゃってどうしよう!

★年に何回か、鏡の自分の顔を全否定する日がある

他人の空似(そらに)、って言葉があるよね。

似てはいるけど中身はまるで違う、ってことで

“そら”、カラッポってニュアンスを入れてる?。

似てるから憤慨する。怒る。

チョコっと部分的にいじってるだけで、

あとは丸々コピーじゃないか!とかね。

似ててまぎらわしい。

正体不明っぽい。どっちが本物?、はイライラ。

カレイとヒラメ。ハチとアブ。

池を見下ろした状態で見るオタマジャクシと

ナマズの赤ちゃん。

似ていることで嬉しくなり盛り上がるのは、

ティーンエイジャー時分に多い、自分の顔や声が

人気の芸能人に似ている衝撃の事実!。

または笑劇の錯覚。

ま、とにかく、人気者に似ているんだから、

自分もイコール、人気者だあ!、みたいな…。

初恋の人に似ている〈歌:トワ・エ・モア 作詞:北山修 作曲:加藤和彦〉

あなたにささげた 言葉の中に

嘘はないけど 何か気になる

こんな気持ちを 違うあなたに

ほのかによせた 想い出があるの

そうよ あなたは 似ている

初恋の人に

好きだった でもそれは

いけないことじゃないけど

言っちゃいけない 今は

あなただけなの

あなたと肩寄せ 歩いていても

前に誰かと 歩いたような

そんな気がして 立ちどまったの

ごめんなさいね ただそれだけなの

そうよ あなたは似ている

初恋の人に

好きだった でもそれは

いけないことじゃないけど

言っちゃいけない 今は

あなただけなの

〈以上、歌詞〉

似ていることに戸惑う女性。

似ているから好きになった?。

そういうヒトもいるけど、このヒトは違う。

デートの最中に、初めて気づいた。

だから戸惑う。モトカレとイマカレを

無意識に比べてしまう自分に

ちょっぴり後ろめたさを感じてしまう。

イミテーション・ゴールド〈歌:山口百恵 作詞:阿木瑶子 作曲:宇崎竜童〉

♪ アアア イミテーション・ゴールド

若いと思う 今年の人よ

声が違う 年が違う

夢が違う ほくろが違う

ごめんね 去年の人とまた比べている

くせが違う 汗が違う

愛が違う きき腕違う

ごめんね 去年の人にまだ縛られている

待ってて欲しい 今年の人よ

陽が当たれば 影が違う

色が違う 光が変わる

ごめんね 

去年の人を 忘れるその日を

〈以上、全歌詞の中から抜粋〉

そんなに、モトカレと違う違うって

主張するなら付き合わなきゃいいのに。

と思ってしまうけれども、

当人にしてみれば、そうもいかない。

前に進むために新しい恋を始めなければ。

それがモトカレを忘れる唯一の方法だし。

などと理屈で割り切っても

現実的にはムリでしたか、やっぱり…。

それにしても、

相手の顔立ち、もしくは体型を

“影が違う”、つまりシルエットが違う

と表現するところが、さすが作詞家!

というか、女性特有の感性というべきか、

ですが、さすがに “光が違う” という表現は

未熟なワタクシには分かりませんでした。

しょんぼり。

トワ・エ・モアの、似ていることへの戸惑い、

山口百恵の、似ていないことへの失望、

こと恋愛に関しては、それは一大事の要素。

花の菖蒲(しょうぶ)とカキツバタ、

飾る時にどっちがどっち、

似てるか似てないかなんて誰も気にしない。

ア、華道のお方はどーなのでしょーか?。

女性は父親に似ている人を好きになるか、

父親とは正反対の人を好きになるか、

そのどちらかだ、とよく言われますけど、

それじゃ男性はどうなのでしょーね。

大なり小なり、その要素って、どう?。

ともあれ、

以前にも増して、人やアイテムに対して

外観や能力に強いこだわりを見せる時代。

ビミョーな違いなんて気にしない、

人もいれば、どうしても目をつぶれない人、

もいる。視覚の時代、ビジュアル系の時代。

『ヤバッ!』〈歌:BABY・METAL 作詞:NAKAMETAL   作曲:NORiMETAL〉

どれでも同じだよ みんなそう言うけれど

なんかちょっと違うよね?

やっぱちょっと違うかな?

違う!違う!ってないよー

違う!違う!って言われても

違う!違う!って知らんー

え?なんかちょっと違う?

ヤバッ!

気になっちゃって どうしよう

気になっちゃって どうしよう

あれどっち? これどっち?

パーリラ パーリラ フー!

何か違う 何か違う

どれが違う どれが違う

あれも違う これも違う

かなり違う かなり違う

あー全部 全部違う!

気にすんなって いいでしょ?

気にすんなって いいでしょ?

でもね違うー違うー

でもね違うー違うー

でもね違うー 違いすぎて困る

〈以上、全歌詞の

繰り返し部分を除き抜粋〉

最初に僅かな違いに気づき、観察するうち

段々、ちょっとじゃなく、

だいぶ違っている、と判明する!。

さらに観察するうちに、

全く違う事にガクゼンとする!。

ほんとうに全然違う、のなら

どうして最初、気づかなかったんだろう。

そういうことってあるよね~。

他人の空似、似て非なるもの、うりふたつ。

似ていて欲しい、そうあって欲しい、

いや、むしろ、似ているのではなくって

本物だった!であって欲しい、

というムチャでゴムタイな超飛躍!。

贋作(がんさく)の、コピーのブランド品を

いつのまにか、実はコレ、本物だった!と

真顔で云い始める人を見たことがあります。

ちょっと驚きましたけど、気持は分かるかな。

似ているから、ほぼ本物だから、

本物に等しいから。OK。

似ているからダメ、ソックリだからダメ。

モノによって、人によって、

その時の状況でどちらを選択するのか、

それは変わるのでしょうね。