昭和歌謡曲の万華(まんが)

チェリッシュ楽曲にみる日本人の疑問 / 激動の1970年代

教えて、おせ~て!おじいさんならずとも

そうなのです。彼女はキミの眼を覗き込み、

ほんのポテチのかけら程の嘘さえ

見落とさないわヨといった表情で、

聞いてくるのです。

それとも心の中でささやくだけかも。その場合、

目は口ほどに物を言う、で一層怖いッ。

目ッ、目が充血してるッ!。

なのにあなたは 京都へ行くの?

京都の町は それほどいいの?

この私の 愛よりも

〈チェリッシュ / なのにあなたは京都へ行くの〉

確かに京都人気は国内外ともに年々モーレツ。

で、この主人公の男性ですけど、

最初ッから彼女と一緒に京都へ行ってれば

何の問題もなかったでしょうに。

独りで何度も行けば、それは確かにとってもオカシイ。

誰だってオカシイと思う。

白いギターにかえたのは 

何かわけでも あるのでしょうか?

このごろ とても気になるの

〈チェリッシュ/  白いギター〉

トートツであっても、アイテムを変える

というのは、別段珍しくもおかしくもないでしょ?。

それを彼女がこだわってしまうのは、

白いギターだから?。

確かに男が白いギターというのは解せないかも。

当時放映されていたと聞くTVクイズ番組の景品

でもらったという事情でももない以上、

彼女にしてみれば他の女性のギターを

借りてきたのではないか、

もらったのではないか、

といったような激しい疑いを持つはトーゼン。

さらに火に油を注ぐかのように、歌詞2番になると、

爪をかむのを やめたのは

なにか理由 (わけ) でも あるのでしょうか?

黙っていると 気になるの

と彼女は聞く。いや、怖くて聞けず

実際には心の中で尋ねているだけなのかもしれない。

いわゆるオンナゴコロ?。

爪をかむのをやめなさいと、別の女性がさとして

彼が爪をかむのを止めたのだとしたら、

その彼女の存在は、

彼にとって絶対的ということになってしまう。

そんなのヤダ、

私何なの?カヤの外、ビエ~イ!(泣)。

最近たまに底冷ェイ。

チェリッシュお二人は、更にさらに

♪『ひまわりの径』という楽曲でも質問を続ける。

わたしの夢は 終わりでしょうか?

もう一度 愛の行方を 確かめたくて

いけないひとは 私でしょうか?

それなのに 涙しのんで 振り向くなんて

と…。チェリッシュのこれらの歌が発表されたのは

1970~1972年の間だと検索表示。

当時、日本国内ではどんなことが起きたかというと、

1970年は大阪万博が開催、よど号ハイジャック事件

1971年はマクドナルド日本第1号店が銀座に登場、

カップヌードルが世界で始めて発売、

仮面ライダー天才バカボンルパン三世

がいずれもTV初放送。

1972年は札幌オリンピックが開催、あさま山荘事件

佐藤栄作内閣から田中角栄内閣へ、

太陽にほえろ!必殺シリーズ、TV初放送。

つまり激動の転換期だったのですね。

凄まじいエポック(新時代)ではないですか!。

未だに語り継がれているものばかりですよね。

つまりは、国民誰しもが、

「なあに?。それは一体?」

と、疑問を持たざるを得ない、

質問したくて仕方がない、

問い詰めたい、説明して欲しい、

という切なる気持ちが

あらゆる事柄に対してとっても強かった。

歌は世につれ、世は歌に連れ、と申します。

作詞家の林春生はそのことを

よ~く分かっていたのですネ。さて、

チェリッシュの楽曲タイトルで、だから私は北國へ

といフものもありまッシュ。

やはり質問に対するアンサー言葉でしょ?。

~だから、は問いに対する返答ですもんねえ。

チナミに、アルプスの少女ハイジTV初放送は1974年。

主題歌の教えておじいさんは全て質問形式の歌詞。

口笛はなぜ 遠くまで聞こえるの

あの雲はなぜ……

時代変われば人変わる。

人が変われば、言葉遣い変わる。

なぜ、なぜ、どうして?。

教えて。説明して!。

今の時代、質問ばかりしていると、

「ウッぜェーワーッ!」

なの?。シクシク36。