カスタードめし２３２
星の出る前、
まだ明るい空に
サンタが飛行傘で
ムーミン谷に舞い降りるところを見たと
ミイが大騒ぎでムーミンのところへ
ムーミンとミイとスナフキンは
時間がたつのも忘れて
谷じゅうを探しましたが
サンタは見つかりませんでした
そんな噂を聞いたボクは
ムーミンたちがサンタにねだろうとしていたケーキを
持って行ってあげると手紙に書いて
笑いカワセミにたくしました
ケーキがとどけられる約束の日になりました
ムーミンもミイも
ケーキを持ってくるともだちを
今か今かと谷のはずれで待ちつづけています
その前の日
ボクは大森ジャーマン通りにあるケーキ屋さんに
ともだちにプレゼントする３つのケーキをえらびに行った
ムーミンは
ボクはきっと一番甘いのだよ
それでないとだめなんだ！
スナフキンは
頭がさえるようなケーキなんてあるのかい？
そしてミイは
アタシの頭のてっぺんみたいな
とがったケーキがいいわ！
そんなのがあればの話だけど
ボクはガリュウＭの二階で
選んだケーキの試食をすることにした
どれもかがやく星のような
ケーキをえらんだつもりだ
パティスリーのル ガリュウ城は
妖精には見えないんだ
カバにも、トロールにもね
トーペヤンソンさんは云った
ムーミンも、ミイも、スナフキンも、
ムーミン谷に住むみんなは
カバでも、妖精でも、トロールでも、
人間でもないって
だれかが夢見るけど
実はほんとうにいる、何かなんだって
秘密の呪文をとなえられたら
二階へ上がる階段があらわれる
声を出したら
ケーキは朝の霧のように
消えてしまう
さわぐ子供にはケーキを食べさせないんだって
ミイがナゾナゾみたいに
あればの話のケーキを
要求したけど
▲いちごのモンブラン
６３７yen
あった！あった！
ミイの頭の上のとんがってるもののケーキ！
ゆっくり切ると
やんわりと
とびらが開いたよ
ミイが着てる服の色した
野イチゴみたいに赤いソースが出てきた
ソースかな
ジャムかな
食べてみたら甘ずっぱくて
倒れそうにおいしい！
どんなふうにしたら
こんなふくざつなケーキが出来るのだろう
あはは
こうやって見ると
まるで おさびし山みたいだ
スナフキンは冬になると
旅に出るからね
ムーミン谷の外の世界でくらすのは大変なんだ
知恵をさずかるようなケーキ
そんなの あるのかな
▲キャラメル ショコラ サレ
６４８yen
冬の雪を着たケーキ
トナカイのツノもある
真珠みたいなものは
なんだろう
それは わたしの涙だよ
それを食べれば
たいそうな知恵がつくのだよ
と宝石フクロウが云いました
ひかる涙で 闇をてらせ
涙はぬぐわず
前見て てらせ
Ｍ
ムーミン谷のＭ？
モンスターのＭ？
ミラクルのＭ？
マジックのＭかな
ミスティーのＭ？
塩キャラメルとチョコレートを
組み合わせたケーキだ
これさえ食べれば
スナフキンは七つの海も
わたれる知恵をさずかるにちがいない
チョコレート食べたあとは
口をふいてからハーモニカ
スノークがそう云ってた
ムーミンのことを
日本の子供はカバだと勘違いしてる
それを聞いたトーペヤンソンさんは
ムーミン一家がカバと間違えられて
動物園に収容されてしまうお話を書いたんだよ
▲フレーズ カシス
６５８yen
イチゴとカシスのムース！
ムーミンの願い通りに
うんと甘いケーキ！
▲アイスコーヒー
６２７yen
甘いだけじゃない
あまずっぱくて
ちょっとにがいコーヒーにも合うしね
池のほとりに
寝っころがって見る星のよう
きらきら輝いてる！
ミイの赤い服みたいだし
これをミイのにしようか
迷ったけど
やっぱり一番甘いこれをムーミンのに決めた
いちごのモンブランの
中身のより
もっとジャムみたいな
ほっぺがおちそうな甘いかおり！
どんどん中から
あふれてくるよ
これならムーミンだって
きっと大喜びしてくれるはず！
さあ！ムーミン谷へ出かけよう！
「ねえミイ、いま馬車の音が聞こえたんじゃない？」
「聞いた聞いたアタシもッ！」
