味の色どり万華(まんが)

馬込の楡(にれ)で藤城清治を眺めながら、お茶とケーキしましたあーッ!!!

カスツァードめし277

▲踊る、踊るよ、最後の贈り物、別れのリボンに巻き込んで

さよならの季節でシュ。

もう十分にお別れを尽くしましたかー。

泣いてニャい。花粉症なだけ。

昔と違ってそんな言い訳が効くのは、良いこと悪いこと?。

さてね。

浅草線馬込駅のA3出口からオンモに出ると、目の前にこの建物。喫茶店。

文字通り駅から徒歩数秒。住所としては北馬込。

月~金は9時半から18時まで。土日祝は9時半から19時まで。

年末年始も営業だってぇ!。

モーニング、ランチ、ブランチ、デザートの各メニューあり。

古き良き時代のエッセンス満載なレトロカフェ。一見の価値あり。

ザ・昭和なのに全席禁煙は超うれピい配慮でごんス♪。

無味乾燥な日本の画一的建物に見慣れた者はニレの佇まいに仰天しゅるジェ。

一回見たらば忘れんとです。

1953年創業開始、60年以上の歳月を生き抜く老舗カフェ。

席数は約40。

カフェなし砂漠の馬込にたったひとつだけ灯ったオアシスカフェ。

11時、お店に入る。真っ先に目的である藤城清治のエを探す!。

オオ!!!あったあああああーッ!!!。

ライティングに浮かび上がる影絵!!!。

昭和レトロそのものなお店の中、まるで心臓のよーに息づくその作品!!!。

ここまでわざわざ来た甲斐があったってもんだヨーン!!!。

なんせ、栃木県に在る「藤城清治影絵美術館」(作品150点収蔵)には遠過ぎてなかなか行けず、仙台の鐘崎笹かまメルヘン館にある大壁画も未だ見に行けニャア~(キラ光る涙。さっき目薬)。

もつろん、宮崎空港の日向神話ステンドグラスも見に行けてニャッ。

どーしてこの絵がここに飾られるに至ったのキャ、まだお店のチトに聞いておりませんのよアタクシったら。やあね。

特注品?。お買い求め?。何か藤城ちゃんと個人的な親交でも?。

マいいわ。いましばらく神秘的にしといて、そろそろな頃合いに尋ねてみるわネ。

黒い影の背後から光を当てる影絵。それがどんな効果を生むかって?。

この有様見ていかがかしらあ~。なんとも云い難い不思議な雰囲気でござひますでショ?。

人魚や魚たちがマジ生きてるって感じが伝わってこないこと~?。

だけど、影絵を薄暗いキャフェの壁に飾って間接灯の代わりにするって、考えたわねー。

さすが昭和ビト。

ただし、影絵を浮かび上がらせるこのライト、太陽の自然光なのでっス。

この絵はお店の左奥、やや中央辺りにござひますわよ。

▲藤城清治(ふじしろせいじ) 画伯の影絵

何という幻想的なエ!。「メルヘン」という言葉の権化のような画風!。

一度見たら絶対に忘れがたい奇妙で魅惑的で、なによりも

秘密めいた感じ…。ソレって今まさに最先端な新しフィーリング。

特に…特に女子なら分かり過ぎるほど分かる、謎めいた不可思議なものの正体。

だけど、エのタイトルくらいはピン添付しといてほしいわ~ん。

藤城清治(これより、略してフジセイちゃんと呼ぶ)は現在99歳。

来年の4月、めでたく100歳になるんニャ!。

「100歳まで生きたいと云う奴は99歳の奴だけだ」

クリントイーストウッド監督・主演作品映画中、彼が云うセリフ。

まっこと稀有なふじせいちゃん。99歳の今でも毎日7000歩のウォーキングは欠かさないんだって。

ひえええええええええーッ!!!、ボクちゃん大反省ッ!!!。

去年はNHKの紅白歌合戦に作品が使われてたネー。なんちゃって現役なんかじゃないんだよネーな証明。

いまだ精力的に作品を造り続けてるのヨーン。

それにね、ふじせいちゃんたら「ケロヨン」の作者。フジセイちゃんを知らないチトでもケロヨンは知ってんでないキャ?!。

ふじせいちゃんは昭和23年から【暮らしの手帳】に影絵の連載を始め、徐々に有名になっていったのだー(連載終了は何と平静8年!)。

受賞歴はマジで数え切れニャアー。勲章では紫綬褒章、勲四等旭日小綬章だべ。

入口入って右側奥の窓辺席、既にお客はんが!。

そこが良かったのにニャ~と思いつつ肩を落として入口そばにBAGを置き、待ちきれず藤城清治をチラ見に。

1分で戻ってくると、アラマアすてき!。オヤマア奇跡!。

窓辺の席のマッダームは既に姿を消しておりましたッ!。

ボクちゃんの気持ちを察してくれたのでしょホか!。サンケーウ!。

何とも心地よい窓辺の置物。

なかでもこの二人の後姿は秀逸。日本じゃ正装したウサギといえばピーターラビットだけどねぇ~、こちらの紳士がそーかどーかは分からニャいッ。

いずれにせよ、このふたりは雨の日も風の日も、晴れでも曇りでも、目の前のゆるやかな坂道を行き交う人々を見守り続けていくのでせうね。

可憐な花が置かれている窓辺。店内に流れているのはJAZZ。

なんだかもう…とっくに忘れてしまっていたっつーか、失くしてしまったものを今、何となく思い出しかけている…っつーか…。

もしやして…これが昭和への原点回帰というものニャのだろーか。

フジセイちゃんは暮らしの手帳に影絵の連載を続けたけど、グリム童話のお話もたくさん紹介したんだってネー。

日本人にグリム童話をあまねく知らしめた功績はフジセイちゃんなんだナー。

子供たちを怖がらせて、危険に近づかないよーにと作り出された教訓という名の童話。

今や、そんなもん知らんがなと声高の社会になっちゃったんだネーン。

「もしそれが本当に必要なものなら、それは絶対に消え失せたりはしない」

っていう有名な言葉。

そーかなー。

少なくともボクちゃんはもう信じないのだー。

2~3の駄菓子を握らせれば “信じる信じる”と激しく頷くチンパンズィらとは違うんだからネーだ。

▲アメリカンクラブハウスサンド

850yen (税込) 

コーヒーゼリー付き

軽いランチでいこーかニャ~、でコレ。

ミニなるコーヒーゼリーの付け合わせとは意表ついてナイス~。

このゼリーはアイスコーヒーから作られるそうだー。

質問●アメリカンクラブハウスサンドとは何?。

答え●トーストしたパン3枚の間に色々な具材をはさんだ三段重ねのサンドイッチのこと。

2タイプの具材に分かれとるネー。片方はハムにキュウリ、ツナ。

もう片方はチーズにトマト、レタス。どちらもマヨネが効果的に効いてるナン。

トーストはサックサク!。

パクリと頬張れば、みずみずしー野菜とハムやチーズ、ツナがミゴトに調和して、サンドイッチにする意味合いとはコレ!と今更ながらに再認識だジェー!。

特にツナが入ったことで味の深みや幅が広がってニレならではのオリジナル性が強くなったー。

パクパク食べ進むにつれ、フジセイちゃんが手掛けた影絵劇「銀河鉄道の夜」が頭の中で広がってった~。

夜行列車で食べてるサンドイッチのよーに感じるのは、このサンドイッチの味がたまらなくレトロ感を喚起させるからだヨッホーン!。

サンドイッチの上を見やれば、コーヒーサイホンにフジセイちゃんお得意のピッコロ吹くコビト。

差し込む陽光の力を借りて、ココでもやっぱり影絵の本領発揮だべ。

サンドイッチ付け合わせのピクルスは実に美味しかった!。

塩気は無くって、酸味少な目、甘味あり。ボクちゃんが大好きな優しいテイストであったー。

さらにコーヒーゼリー。

このゼリーは苦みがシッカリ出てる。そこにもってきて甘さ控えたミルクソースがヒタヒタ。おいしービターテイストが心地よいブ!。

食べ終わる直前に決意は固まった。

やっぱケーキ。でないと足りニャッ。

▲シューケーキ

450yen (税込)

ショーケースを覗き込んでコレをばチョヒス。シュークリームでないところに意義でもあるのかなっと。

食べてみると、しっかりした固めのシュー皮が上中下でクリヒムらを執拗にハサミうち。

すなはち、シュー皮三層の三段重ね。

ナマクリームの詰め込み具合はギッシリたっぷり。

ナマクリームも皮に負けず劣らず固めな仕上がり。

だからこそ崩れることなく三角形を見事に維持出来ていリュのだー。

奇妙な見慣れない形のナイフがついてるのも納得。

切り分けながら食べないと、だからー。手持ちはきっと悲惨な悲劇を生むジェ。

このお店の中に流れる空気感はまさにカタカナ三文字、

レ・ト・ロ

常連だらけの方々は寡黙で静か、控えめ。おひとり様の来店が多い。

お客様の共通点は、「この店が好き」

「外の世界とは違う、この店の中にだけ、未だ流れ続けている時代が好き」

だからボクちゃんでさえも週変わりに再来店すたべ。

店内のランプを見て妙に納得。メルヘンてやつにゃー何故かラッパだの笛が似合うんだニャ~と。

▲チーズトーストセット

800yen (税込)

今回はコレら~。

まず、見た瞬間パンの厚みにビツクリしたあ~。

モーニングセットのチーズトーストなのに大きめの山型パンを使用。

チーズとパンはよお~く焼けてて、美味しさのシンボルである焦げ目が実においひ~。

仕上げに粉末のパセリ、はシメとしては必要だし食欲も湧く。

備え付けのミニサラダにかかってるドレッシング、これまたおいひ~。

酸味と甘みのバランスがとれたフレンチドレッシングだなこりゃ。さっぱりしててチーズトーストの旨味に華を添える役目でフェ。

▲レアチーズケーキ

450yen

前回同様、パン食べたらケーキ、というパブロフの犬になり果てぬラ~。

コーヒーもおいしーもんだから、お替りキャモーン!。

ここのケーキは外注無し、すべて店内の工房で制作されているのだジョ。

真白き雪山は招くヨーン!的な見た目でチョヒス。

ほとんどがレアチーズクリーム。お情け程度のパウンドケーキ生地らしきが下敷き。

このクリヒムの盛り付け方がユニークで笑う。

まるで皮剥いたタケノコだジェエ。

コーヒーはオーダーありで初めて豆挽き、ドリップ。

カップは見ての通り、ウェッジウッドか、ロイヤルコペンハーゲンか、ミントンのどれかだと思フ。

見ての通り?。なに言ってやがる、どのメーカーのカップか分からんくせしやがって。

マね。ソざます。

一見、クリヒムは柔らかく見えるんだけど、口に含んで見たらサー思いのほかネットリで濃厚な食感!。酸味がとても強くて甘さヤッパ控えめ~。

ゆえにレモンクリームケーキか?!と錯覚してしまう程ヨーン。

濃厚な舌触りなのに爽やかさアリアリ、実にコーヒーのお供に最適だべ。

グーグリによるケーキとコーシーの最適化参照!。

楡本店で扱うケーキは、その全てにおいて派手さがニャい。

飾り気なし。派手さなし、のド・つまんなーい系。

だがしかしですヨー、ビジュアル時代に背を向けるのも当然。

このお店の中は今だにザ・ショーワ。

まだ喫茶店というものが一般人にさほど馴染みない頃の空気感みたいなー。

ボクちゃんがガチな顔して写真撮りまくってたら、お店の女性スタッフさんが近寄ってきて

「ここも撮りなはい。キレイだからー」

とトイレットにまで案内してくだハりましたー。

オオオ!確かにお綺麗、ステンドグラスらああ~!♪。

レーレー、レトロー、レトレトロ~とウットリしながら眺め入る~。

♪ 赤い夕陽が校舎を染めて 楡の木陰にはずむ声

舟木一夫「高校三年生」