カスタードめし263
大森にあるロンドンバスキッチンにやって来たのはランチータイム開始10分前でありまッス。
ホッホウ、まだ蚊帳((かや)が吊られてんネ。モスキート1匹入れないジョー。
本日はクラメ曇天ながら、自慢のサーロインステーキをメインにしたアニバーサリーコースや女子会のためのエレガントコースなど、各種貸し切りパーティー向け(予約は20名から)のメニューが張られているフロント部分がウッスラリンと見えリュ。もちろんテイクアウトメニューの案内も。
1階に灯りがついてるニャー。料理の準備をしてるんだニェッ!。
奥手前、段差のある辺り右手あたり、野外テラスと銘打つ場所が見える。
この薄暗いシチュエーションで灯りが灯ってると、一体コレって何?的なドリーミング違和感ハンパない。
早く入車したいんだよおおおおーう!。チと寒いし早く開けチくりーい!!!。
願いは聞き届けられ、ボクちゃんの執念が通じたのか奇跡の開店2分前オウプン!。
やったああああ~ッ。
大森の神社通りを湾岸方面に折れればピーポー通り。カドミウムレッドのボデエなダブルデッカー食堂車がその通りにズッシリと在る。
しっかし、サイレンなきバスのある通りがピーポーピーポーだとは苦笑いラ!。
調べてみると、以前この近所に在った牧田総合病院へ直行する救急車の通り道だったんだそーな。なるほろひれはれ、牧田総合病院が蒲田に移転した後も、名残だけは残ったってワケなのカー。
マ、ココに来たければ入新井公園(いりあらい)はドコっスか?と聞くのが手っ取り早いヨーン。公園からバスまでは徒歩58秒くらいだからー。
むろんJR大森駅からは、屈強な成年男子なら全力疾走で4分を切るんじゃないかナ?。
フードロケーション運営で2019年2月にオオプンした唯一無二のバスキッチン。
ロンドン市内を駆け巡り、夢見るよーに現役引退の玉座に付いたこのバスを揺り起こし、大森にまで連れ込んで食堂車として第二の人生を切らせたッちゅうーのはマコトにアッパレ、ヒッパレ、甘茶でカッポレ。
ところでこのバス、今なお現役。廃車ではなく2年に一度マットウに車検受けてる立派な現役車!。見よ!このファイアーストーンのタイヤ!、確かにお払い箱の中古タイヤではニャア!。
「お待たせしました、どーぞお入りくだニャ~い」
やさしいお兄ちゃんのエスカルゴで奥へ。
真横のバスボデエに見惚れながらも、磨かれた車体鏡に美しき我が身を確認す!!!。
これこそロンドンバス車種で最高峰と云われるルートマスター種のサイドだべ!。
狭くて急な登山道、といった二階への上り階段。
暗い照明に浮かび上がるディープなレッドが、さあさあ、ここは現実から幻想世界への登竜門なんだジェ~とささやくよ-だべ。
屈強な若者さえ思わず手すりにすがってしまうのは、これから非現実世界へ埋没せんとする怖れからキャ?!。
とにもかくにも期待と好奇心に胸ふくらませつつ、誰もがこの階段を上ってゆくのだー。
真横の窓の外に見えるは隣の灰色ビル壁。それが浮世の目隠しとなって、いよいよ幻想気分はクライマックシュら~。
二階客席に入る扉の前、振り返り見下ろせば今上って来たばかりの階段は海底2万里のノーチラス号のソレだあああああーッ!!!。
アラまあ、ステキ!。オヤまあ、ドリイム!!!。
ロンドン市街を走り回っていたルートマスターには車掌が居たってネー。
乗車口にドアがないのは、バスと並走して走って来た人が飛び乗れるためだったってサー。
近年になって、車イスの人が乗れないのは問題だって廃止になっちゃったのヨ~。
国内外、惜しまれつつ時代の大きなうねりの中、姿を消してゆく物ってヒッジョーに多数。
それってサダメ。アタシったらタメイキ。
でも強烈な思い出はいつまでもー、だわヨ。
全くもってヴィンテージな車内。この不思議な異空間レストランはランチタイム(11時半~14時)とディナータイム(17時半~22時)の二部で構成されているのヨ。
流れるはJAZZピアノによる懐かしのスタンダードナンバーばかり。
シナトラの「フライ・ミー・ツー・ザ・ムーン」、ジュリーロンドンの「ミスティ」、おおっと!何故か山口百恵の「いい日旅立ち」までも!。
しなやかで優雅な鍵盤の音は小さすぎず大きすぎず、車内シートに腰かける人々のハートにじっくりと染み込んでゆく。
左右の窓の外風景は両隣のビル壁。道路が見えるのは当然TOPの横窓のみ。それもチラリとだけ。
バスでの走行気分は味わえない代わりに、壁による遮断は孤立した幽閉感を色濃くにじませ、乗客達を奇妙な異空間へといよいよタイムトリップさせる。
タイムトリップってどこへ~?。ロンドン~?。
さあね。行先はきっと人それぞれなのかもしんないジェー。
シートに張られたナメシ皮のよーなカヴァー。座席とカヴァーの間には空間があって、座ると不思議なフンワリ感。パフパフ感も心地良すぎ。
その感触は、使いなじんだ物特有の安堵感。しなやかで、たおやかで、細かいシワがツルツルのカヴァーにステキなパワーを与えているよーじゃないかい皆の衆!。
最初、指先で触れると冷たく、人の温もりによってわずか数秒で温められるカヴァー。
アーアー、こういうのって今の時代に最も大事なモノなんぢゃなひのッ?!。
何かが運ばれてくるジェとハッとする!!!。
バス運転席の真後ろ席に陣取るアタクシ!。
その全身に伝わってくるのは階段をのぼってくる人の足の動き!。
そうラ!。人が出入りするたびこのバスは鈍ぅく揺れるのだ!。
なんちゅうーステキな体験だべ!。
感激するアータクシの前に、前菜のサラダとソレを運んできたお兄ちゃんの優し気な声と笑顔!。
サラダをモリモリと食べてみればヒッジョーに新鮮なベジタボー!。
少し酸味があって甘いアイルランドドレッシングと共にウマウマでアッという間に完食ッ!。
幸先いいスタートだニャア。本編に期待が膨らむヨーン!。
▲クラシックハンバーグ赤ワイン煮込み
900yen (税込990yen)
ミニサラダ、コーヒー、スープ、ビスケット付き
メニュー内容見て、「ハア?!ずいぶんお得ッ」って思う人は多いよネー。
1000円でお釣りがきちゃうのってスゴッ。
「大丈夫ですか?!」ってボクちゃんオーナーシャンに云ったんだけど、彼は答えずニコヤカに微笑するだけだったんニャ!!!。
その後、定期的に通いながら色々なメニューを試したけど、結論としては、どれもこれも皆オイシー、コスパ絶大。
写真のを見ると、フツーにおいしいファミレスチックなファミリーハンバーグに見えるけどモー、食べてみるとヒトアジもフタアジも違う優れものだヨーン!。
ヒトコトで云えば、アダルト気分に満たされるシロモノグルメ。
霧のブレーカー街に住むシャーロックホームズに街角でふいにぶつかったよーなミステリアスなお味ニャんだ!。
ライスの炊き加減オッケイ、湯気が出るハンバーグ、しっとり形を崩してない付け合わせ野菜の雰囲気オッケイ。
味見でひとくち野菜ソテーを食べてみると、味付けゼロ!。
だがしかし、濃い味好きなボクちゃんが「うまい!」と唸るほど野菜本来の旨味だけで勝負出来る一品!。
これなら苦手なニンジンまでも残さずにパックンチョかもしんない!。
ヤッパヤッパそーでしたッ!。食べ進むごとに呟く「この野菜めちゃウマッ💛」。
「奇をてらっただけのバス食堂、味なんてどーせ適当だろ?」
などと、いかにもな疑いをかける人けっこう多いかもだけど、マジ断言。
このお店、もとい、この車の料理、文句なくチャンとしきったレストランのレヴェル!。
素揚げされた野菜特有の甘味。閉じ込められた栄養価も魅力。
心地よい固さがあって柔らかな印象もある。奥の深い仕上がりだニャ!。
赤パプリカ粉末が振りかけられたポテトサラダは、マヨネーズの効いたハッキリした味付けで、これまたライスに合うジェ。
どれもこれもパクパク食べてアッという間に視界より消失!。
ナイフを入れるとたちまち立ちのぼるアラジンと魔法のランプ。
さっきの階段レッドよろしく、赤ワインで煮込まれたバーグのダークレッドもスーパーアダルト~。
ハンバーグを赤ワインで煮込むとサー、水で煮たのと比べると明らかに柔らかい仕上がりになるんだよネ!。確かにコレはそーなっとるじゃないかチミィ~♪。
おまけに赤ワインがハンバーグの肉汁流出を抑えてくれるってネー。
しっかり加熱すればアルコールも完全に飛んじゃうから、子供が食べても大丈夫。
確かにコレもそーなってるジェ。奈良漬けよか全然大丈夫だべ!。
当初頭をよぎった、よく有るツクネチックなバーグだったらどーすんべ、の不安は至急消え失せッ。
ミチッと歯の間で弾むようなフレッシュなひき肉に手こねバーグの旨味を実感!。
ソースと絡めるとますます絶品美味!。デミグラスソースっぽいのががチョイ苦手なボクちゃんが驚くミゴトなお味!。
なある、赤ワイン煮込みとはこういうことかッ!。単なるそんじょそこいらのソースとは明らかに一線を画す奥深い味覚!。
よーするに子供じみてなどいニャあ大人の味なのだべ!!!。
大満足!。きっとまた日を開けて注文することでショー!。
▲ランチセット各種一様に付いてくるコーヒー(Or紅茶)とお茶菓子
小ぶりのスコーンはしっかり固め、割って見ると生地はミッシリでモコモコ食感。
甘さ控えめ、いかにも英国王道のバターが効いたシンプルなスコーンだジェ。
お隣のチョコレートクッキーもほどよい甘さ、砕いたアーモンドとカシューナッツが塗り込まれていたりして、万人受けするクッキーだべ。
しっかし、訪れた人々が口をそろえるよーに、食後のコーヒーにチョットしたお茶請けを添えてくれる気配りにはマッコト恐れ入るヨオーン!。
コスパがいいランチセットというよりも、優しい気配りのランチセットと呼ぶ方がふさわしー。
イギリス家庭料理の手作りスコーンとクッキーって印象のオヤツを味わい、気分は上々。
コーヒーはいい意味でクセがなくサラリと飲めるライトなヤツ。
席を立つ頃にはリピ確実を噛みしめる人々も、きっと多いなりに少なくはないことだろう。
と、先週の意味深なる自身への予告の的中を果たすべく、今日もやって来たバスキッチン。
見上げりゃビルの谷間の赤い花ッ。本日お昼は青い空ッ。
今回はランチタイムの12時35分に無賃入車。
二階に上がってみると、昼でも車室はやっぱりトワイライト・ナイト。
ムーディーな薄暗さにアンニュイな車内灯、胸に染み入るジャズピアノの音色。
ランチタイムでもディナータイム。ソレって、ずっと真夜中ならいいのにー。
▲チキンソテー/スパイシーオニオンソース
900yen (税込990yen)
目の前に置かれた時、腰を抜かそうかどうか数秒考えぬいたほど、チキンソテーは厚みがあった。全部食べられるかッ?!って思う感じ。
ジューシーなモモ肉のソテーがおいしそーなオニオンソースを浴びている。
ソースは飴色になるまで炒めた玉ねぎに、赤ワインと醤油を加えて煮詰めたであろー感じ。
ですのでライスと合わニャアはずがなヒッ!。アヒッ!。
この濃い目のソースを柔らかい旨味のチキンに絡めながら食べると至福感アゲアゲ!。
▲降りかけたブラックペッパーがスパイシーな味付けに拍車を…。
前菜の葉物サラダ、メインディッシュに添えられたオヤチャイ。
そのうち2つはカボチャにブロッコ、緑黄色野菜。
バランスとれたランチに ♪今夜は誰もが走り出す(ブルースプリングスティーン、明日なき暴走のワンフレーズより)。
なわけで、ヤッパ次回もリピ決定!。極寒2月にバス車室の室温ってどーよ、は真っ当なご質問。
何てまあ温かい!。開店前から温めていたのですねー!な飛び上がり小躍り。
だっから皆さんも是非ご来車してくだはいネーッ!。