カチタアドめし261
「♪ 咲ァ~いた、咲いたァァァ~、おれっちトートー咲いちゃッたァァ~とくらぁ~!」
誰も居ないと油断、上機嫌でデタラメな歌を歌う梅の下をふいに横切るボクちゃん。
ドシッ。
ド真ッ青となり固まる梅をあとに、ボクちゃんも鼻歌交じりで馬込駅へと向かうのであったヨーイヨイ。
ド派手に1953年創業開始の古さを知らしめるカフェ楡(にれ)本店!。
そのイエローとブルーのロゴ字体、全くもって連想させるは鉄人28号だべ!。
欧州チックな外観は美しくも古びた様子なし。???。
いつごろかお色直しをしたんでショーねぇ。
第二京浜沿いに馬込駅、その出口真横にニレがあるヨッ、オオーン!。
文字通り厳寒期、2月。なのに本日ただいま気温15度ってビツクリ気候!。
ココに到着したのは開店9時半の15分前キャワワワン。店内先客ゼロ!。
モーニングのホットケーキとセットのコーヒーをオーダーしましたのホホホ。
熱いコーヒーで胸を焦がし、過ぎ去りし昭和に思いをはせますわアータクシったら!。
陽光差し込むレトロな置物ずらりな窓辺。
昭和初期のモッダーンとでもいうのかしら、こういう雰囲気って。
アラまあ、ステキ!。オヤまあ、イカス!。
さっそく昭和初期パンケーキの味を初体験させていただくことにするわね。
云った先からコーヒーひとくちゴックンチョ、
続けてパンケを、ホラまあパックンチョ。
分け前なき見物だけの我が身に激怒する周囲のチンパンズィらの怒号を無視、
アータクシったら軽快なリズムでパンケーキを食べ進んでおりますのよモググ。
う~ん!。
生地の両面をじっくりシッカリ焼いた、昔ながらの家庭的な味わい!(勝手に想像)。
表面はカリッとしてて生地の甘味は控えめかナー。だとすりゃ、添えられてる本物のバターを生地にヌリヌリしてメープルシロップをタラタラ~リ。
オオヤ???。それでも大してアマ甘にならないジョ!。かといって美味しくないわけではニャい。実においひい!。
横に置かれたガラス容器に入ったホイップなのはヨーグルト?、かと思いきや何とホイップクリーム!。あまりにもキメが細かくって、なあ~めらかで、こんなの初めてえええええ!!!。
とにかくコレって今流行のとろふわパンケーキとは200%別物、このお店でしか食べられない貴重でドストライク昭和な代物だっち。硬めのパンケーキが大好きなチト集まれい!。
ひとくち飲むと軽い酸味が口の中に広がり、続いてふんわりとした心地よい苦み。
パンケーキはもちろん、トーストだのサンドウィッチだの、どんなブレッドでも旨味を引き出す万能コーヒーって気がしまっス。
香りも高く飲みやすい、毎日飲みたくなるのよネーン!。そんでもってだねー、センスある気位高いコーヒーカップで提供されっからサー、妙にシャレた心持ちに浸れてニワカ成金気分は最高潮!。イージョ、イージョ!。
ふと見上げれば、窓辺の傍らに愛らしい小鳥の壁掛けが!。
何とゆーレトロ!。何といふイーハトーブ!。
昭和を通り越して大正ロマンにまで行っちゃってくださいなー的な感もございますわね。
カウフィのかぐわしき香りを嗅ぎながら、しばしウットオリとご鑑賞。
見れば見るほどグリム童話カラーな小鳥ハン。
アンデルセンよかグリムだワワワ、ヤッパ。
冷めはじめると途端に止まるバタアの雪解けムード。あっちゃあ、こうなりゃハンドメイドで一様に慣らしてゆくしか道はなし。
メイプルシロップたらたらり、MIXしながら食べませう。
ホイップクリームはパンケーキに塗って食べるよかソレのみで食べる方が好みと判明!。
最後にドッとノドに流し込むことにしたべ!。
退店して振り返る。
見上げりゃニレは、昭和のハイカラをば絵に描いたよーな個性派デザイン!。
鉄人28号でも正太郎でも居そうなヤカタ、勇気りんりん瑠璃の色の少年探偵団のアジトでもいーニャ~、などと半覚醒状態で夢見がちなボクちゃんたら西馬込をあとにー。
1953年創業の楡本店のお次は1960年操業開始なチェリー!。
さっきの楡(にれ)もそ-だったけんど、こっちゃのキッチャテンもまた喫煙OK!の戦慄!が走るジェ。
さっきは幸いなことにボクちゃんの回りに客はおらず、さりとて離れた席にも喫煙者は居なキャったから良かったもののー、さあてコッチはどーなるでせう。
このお店、ナニゲに通り過ぎればブチックに見えそーな外観。
何やら怪しげなブチック。そんなとこが蒲田東口の裏通りを代表してる雰囲気ざんしょ。
たまらなくマイナーで、とめどなくアングラ(アンダーグラウンドの略)。
とてつもなく場末で、とびきり文化人の隠れ家。
そおんな蒲田にゃ人が来る~人が来る~、だべ。
さっきの楡同様、コッチャのお店もTV番組でやったら紹介されてんネー。
マ、そんだけ “古き良き時代のエッセンス” を感じさせるお店を、みんなが渇望してるっちゅーこったい。
店頭ショーウィンドウに飾られてるこの写真の女性たち、明らかにモガ風。
断髪(今でいうボブカット)、洋装、頬紅にルージュ。
なんだそれ当たり前ジャン、は今のお話。
モガが日本で流行したのは大正末期から昭和初期にかけて。モダンガールがモガ、モダンボーイがモボだったんだってー。カマボコがボコなよーにネー。
竹久夢二も和洋折衷ないでたちの女性を描いてたニャ~。
▲ホットケーキ 800yen (コーヒーか紅茶付き)
〈ホットケーキ1段600yen、2段800yen〉
このホットケーキ、運ばれてきたのを見て
「こりゃーカステエ~ラじゃあるミャーか?!」と思ったヨーン!。
疑惑を持ちつつムウムウと震えながらパンケーキを口に含んでみると、柔らかくシュンワリとした不思議な食感でニャーか!。
今まで食べてきたホットケーキとは全くもって違う!。一段の厚みも5cmほどもあり、直径も高さの割には結構あるジェ。そんな奴が二段もあるときたらモー仰天!、普通のホットケーキよか厚みが特化しとるキねキャワワワーン。
一段か二段かを選ぶのは客の意志。ボクちゃん、しくじったのキャ?!。
しかしこのホットケーキは、生地上がキツネ色の焦げ目に見せてはいるがそーではないカモ。
蒸しあげたよーな感じがぬぐえないヨーン。ナイフを入れた切り口からはフワァ~ッと湯気が上がり“蒸しパンの懐かしさ”なんぞ感じてしまフ。
生地の最上階に乗っかるは紛れもなくマーガリン!。バターではなく身体に良くないマーガリン!。
ソだ!。食の健康面知識が乏しく、代用品でまかなうのもフツーだった頃の貧しき日本、コレはその当時のホットケーキなのだからマーガリンは当然中のトーゼンだべ!。
しかし、ホットケーキの横にしなだれかかる真っ白な生クリームと缶詰チェリーも微笑ましい!。
がしかし!。コレもよくよく見るとナマクリームではなく身体に悪い昔ながらのバタークリームじゃござんせんか!。それがショーコに甘味は薄く油脂感強くネットオリ!。
それにだ、こいつぁー先日見たのに似てはりまっせ!な幕張メッセ!。
真っ赤なチェリーにピエロのフリル襟のよーな生クリヒム!。
そーだそ-だ、あれをごらんヨ、新馬場のPOPOCATEのクラシックプリンを思い出す~。ただしアッチャはホンマもんの生クリームだったべ。
壁には1860年代にパリで活躍したフランス人画家ロートレックの絵画。
1860年代といえば日本は未だ江戸時代。
そんな頃、フランスのパリじゃ夜の歓楽街花盛り、街の巷が社交界。男も女も自由奔放に人生を楽しんでいたんだネー。そんな人々を鋭く描写したのがロートなレック。
お代官様が、年貢が、うんぬんの不自由な日本とは大違いだったってわけなんだー。
「ご自由にお使いください」とお兄ちゃん従業員に渡されたのはレトロチックなメープルシロップの小瓶。
オヤ?。その横に在る透明な液体が入った小瓶は何だべ?。皿にチョット出して舐めてみると、ガムシロというにはサラサラすぎ。
砂糖水?、と言われれば納得するよーな…。アイスコーシーに使うのキャ?!。黒トカゲか明智小五郎にでも聞いてみたいッ。
壁に飾られたこんな白黒写真、ひと目見たならソッコー脳裏をよぎるのはチャールズチャップリンのトーキー映画の数々!。
「街の灯」だとか「黄金狂時代」とかー、或いはロベルト・ヴィーネの「カリガリ博士」なんかをネー。
やたらめったらFOOD本物志向一色の日本において、昭和レトロを追及してやまないヤングな人々ったらチクロや粗悪食品添加物入りのFOODSに目を輝かせ、感動してたりすんだよナー。
新しいこと古いこと。古くて新しいこと、新しくて古いこと。
よーするに交互、よーするに代わりばんこ。たまにいっしょくたで大笑い。
古くて切り捨て。捨てる紙あれば拾う紙あり。
紙はチラシ。捨てる側も捨てられる側も自分は神だと思いたい、は人情紙吹雪だジェ。
マ、本日この頃、二軒の昭和レトロの息吹を体内に取り入れ、1953年から1960年へと2010年宇宙の旅を観たボクちゃんは満足ゲにお店をあとにしたのであった!。
滞在時間40分、そばに喫煙者も来ずヒャアアア~♪、ラッキィ~だああ~。
★オマケ
馬込に立ち寄ったついで、知る人ぞ知る西大井の五智如来大仏に参拝してきたヨーン。
チョイとご紹介スます。
▲西大井如来寺 五智如来坐象箔押
正式には養玉院如来寺といフのだ。写真右端が薬師如来。
▲大日如来
▲右より宝勝如来、大日如来、阿弥陀如来、釈迦如来
邪鬼(右)を従える如来
住職に聞かなければ、これらの如来像の安置場所は全く分からなキャった!。
ボクちゃんの足元から如来様方の頭頂部までは約4~5mといったところ?。
願掛けせずにはおれませんでスたッ。