クワァスタードめし476

五反田駅(都営浅草線の)からだと徒歩マッハんとこにこのホラー館はあるヨオーン。
裏路地(八ッ山通りと桜田通りの間)にあるくせして表通りから既に目視できるという怪奇現象に遭遇しちゃうんだジョ。
怖ぇぇ…マジ怖ぇぇ……。

看板ネーム【グリルエフ】。
しかしコレを【グリノレエフ】と読み違えてしまった者はその後消息を絶つという?。
マジか。
ウチョッ。やあね。

コンニチ近頃までこの様相を保ち続けていることにまずは拍手喝采だヨーン。
昭和レトロなんて軽々しく口走っちゃっていーのだろーか???。
だってだってボクちゃんたらコレに『大正ロマン』の匂いさえ感じ取ってしまったんだから~ん。
夕刻、この入口で竹久夢二なんかが女と待ち合わせして佇んでる光景がありありとマブタの裏側に浮かんでは消えてしまうジョ(実際は昭和25年開業だが)。

営業時間は11時から14時半、休み挟んで17時から21時までラ~(日曜定休)。
座席は1階が17席、2階は洋風レストランなのに何故か?お座敷(20名まで)。
するてえと、こいつぁーやっぱ和洋折衷の「大正ロマン」か?!(ゲラゲラ)。

昭和25年、先代が当地で開いた洋食店。
佇まいは今なおその当時そのままだとかー。
とはいえ劣化はとーぜんあるけどネー。周りの建物と激しく違和感ッ。

色褪せた建物と店名のウルトラマリン色ロゴがドめっちゃ不釣り合い。
そのズレがホラーなのだろうかね。

なんかこう……。
もう、どーしていいか分からんほど入りにくい雰囲気なんだがー、意を決して突撃してみることにするぅ~(ド汗。)

牛の角…。
絶対、こーゆーのって和食の店にある場合は焼き肉屋だべ。
洋食屋に有る場合はスペイン料理店、あるいはバイキングの北欧料理店かなんか?。
マ、当時はコレがいかにも洋食屋(フランス料理店)っぽかったのかもだネー。

シェフでオーナーの長谷川清氏いわく、
「最先端の便利な厨房設備が整ってるわけではないヨーン。でも私にはちょーどい~サイズなのーん」

「新型機器を使えばそれなりに早く効率的に作業が進むかもだけどー、注文もらってから、ひとつひとつ手間暇かけて作るのもオツなもんかとー」とシェフ。

「カウンターと厨房の仕切りはガラス窓。お客ハンの視線を背中に感じながら調理すんのも嫌いじゃないんだネーン!」ともシェフ。
ガラス窓中央の横顔のチトこそ長谷川清シェフなんだジョ。『別れのサンバ』は歌わないけどもがー。

静寂しか許されんキね、の荘厳なる雰囲気の店内。
チャリーン!。
スプゥンでも床に落とそーものならソコかしこに潜んでいた魔猫らが一斉ににらみつけてきそーな感じ~。

佇んでいるお方の視線が緊張感を…。
ノリのきいた清潔感ある真っ白なテーブルクロス、チェアクロス同様、妙にパリッっとしたお方なーのネ~だ。

重い3点セット。
それがいかにもって感じ~。何がいかにもかって?。
そりゃこのコハク色したライトでしょ。
いかにも「ザ・レトロ」「ザ・ロマン」な色合い。

ボクちゃんが指定されたテーブルはテーブルクロスに透明樹脂が掛かってるネーンだ。
そこに映る間接灯が古き良き時代をにじませてるヨーンだ。

▲ハヤシライス
1500yen〈ライス付き〉
オーダーから10数分、こらえきれずに待ちきれず、歯を食いしばってすすり泣きに堪えた日々がまるで走馬灯のようにッ…
オ!、来たッ。
これかッ!、五反田の民を未だに驚かせ続けてるッちゅーハヤシライスはッ!。

テンコ盛り~♪。
マッシュルームの薄切りに輪切り半分カットの玉ネギ、そぉしてメインの牛肉に、これなきゃ見た目絶対牛丼だよ!のグリンピースがパラポロピレパレ~と散りばめ~。

▲人間が食べるのとは逆のグリーンピース星人は嫌いかね

見た目通り、牛肉による威圧感はニャあ~。
牛肉は小さめカット。脂身が適度にあって柔らかくってだヨ、当店自慢のグレービーソースの茶色いツユをアナタに、と(いわゆる、TO YOU)おいしげに染まり果てているッ。
「何だとこのいまいましい救いようのないクソガキがッ。いわゆるトゥーユーだ~?。腐り果てたことぬかしてふんぞり返りやがってもう勘弁ならねぇ!こっち来いッ!」
怒り狂い十手をギラ光らせるチンパンズィ岡っ引きの銭形平日(20歳、モモコ幼稚園直属監視員補佐)!。
ところが!。その顔に突如直径2cmもあるグリーンピースがアメアラレと投げつけられるッ!。投手は塀の上、ベージュの二重アゴのチブル(フレンチブルドッグ2歳メス、ごめんねジロー)!。その眼には水飴そっくりの涙が!。
「なんでそんなこと言うのッ!。誰だってオツユ飲むのにッ!、グブゥッ(感極まる)!」

ハヤシライスのお供には、ラッキョウ、福神漬け、紅ショウガの3点セット!。
全部食べて見たけどラッキョウが一番合うぞえ。シャキシャキした歯触りと甘酸っぱさが予想以上にハヤシに適合した!。
福神漬けはしょっぱくて甘くなヒッ。
注意:紅ショウガやめとけぃッ。ハヤシがギウドンになる瞬間を感じたいならどーぞだ。

さてさて遂にハヤシライス(林間部の米)。
この店に来店してコレを食した者の大半が「次回は他のメニューに挑戦」とつぶやきつつも結局再びコレをば注文してしまふ、というマジカルまじ?な一品。果たしてその魅力の正体は?、とNHK的に語ってみたー。
まず、こうやってナダレってみて驚いたー。アレレレレ?!、な量の多さ!。目視との誤差がスゴッ。銀色のグレイビーボート持つ手もズッシリと重みを感じるしッ。

大量玉ネギの存在感ハンパなしッ!。
ヘナヘナになってニャい。硬さが残っててだネー、その甘さと歯触りの心地よさにシニセの確かなタクミを感じ思わずオオマイガ!。
牛肉とタマネギの組み合わせが最強!なのは誰もが知ってっけどー、それが全くMAXにまでスゴッ!。いいよーのニャー味のコク!。ガツガツモリモリ食べちゃうッ!。
見た目ドロドロの牛丼、ところが食べりゃハヤシライス、のリバーシブルなお得感がコレにはあるッ!。

このお店のゴハンの美味しさには定評があるって聞いてたけど確かに全くそーでしたー。おいぴい。そんな炊き具合おみごとなライスに林が生い茂りまくりでボリウム満点ッ。
柔らかいマッシュルームが時々牛肉とからんで味覚のアクセント作り出してるネーン。
ハラパン確実の予感的中!。
店の雰囲気同様、このハヤシライスには昭和初期洋食屋の香りとエッセンスが感じられてしまヒ、食べながら終始ウソ泣きが止まらず、涙でたびたびハヤシを見失った。
これを風林火山という。

またもやって来た翌週のココ。ソコはやっぱり変わらず時代錯誤。
真昼の、静寂の、リンとした、遠い昔の今頃のこと。
一番乗りだと空気もおごそか~。

どなた様もタンタンと職務遂行中!。
これから長ァーい時間、やって来るお客ハンたちを喜ばせるため前向きでひたむきな作業がモクモクと継続してゆくのだネ~。

▲ポークソテー
1700yen
今回はコレで攻めてみることにした。それがせめてもの想い、って何だそりゃ。
目の前に皿が置かれた時、たまげたことをよく覚えています。ええ、ほんとうに。だってそうじゃないですかあー。
誰だってきっとそーじゃないですかあー。

旨いッ。
豚肉の仕上がりは柔らかいのに歯ざわり適度!。噛めば噛むほど旨味が増し増し。じっくりと腹くくって噛みたい気持ちになってきた。
噛みながらこのソースの味付けは何だろー?、と首をかしげながら噛むのって首に良くないかな、あとで凝りが痛みにつながったらヤダな、などと上等な大人びた考えを持ちながら、
遂に分からんッ。
この真っ紅で茶色なソースって一体何ッ。
紅くて茶、それって紅茶。え。ア?。これ紅茶かけたの?。
ぱか違ぇよ。じゃ何だ。え。分かんない何だろ。
でも旨い。甘みのある酸味、でもケチャップソースだとは思えなヒッ。デミグラスソースともどことなく違ふ。
よーするにシロートにゃ訳分からんオリジナルソースってことなんしょ?。それを「秘伝」とかいうんじゃニャーの?。
マ、いずれにせよこの見栄え、思いっきし「大正ロマン」。やっぱ夢二が食べてっとこ思い描くわァ……。
ですわよ。ですわよねぇぇ…。
完